オーストラリアは立法によって規制の空白を埋めつつある。長年にわたり、暗号資産に特化した義務は、デジタル通貨取引所のAUSTRACへの登録(2018年以降)と、多くの暗号資産商品はオーストラリア金融サービス免許(AFSL)を要する金融商品に当たるとするASICの見解(情報シート225で示され、一連の訴訟で争われてきた)だけであった。財務省は2025年3月の声明でプラットフォーム型モデルの採用を表明し、議会はその後これを法制化した。2026年会社法改正(デジタル資産枠組み)法(Corporations Amendment (Digital Assets Framework) Act 2026)は2026年4月8日に国王裁可を受け、2027年4月9日に施行される。同法は、デジタル資産プラットフォームとトークン化カストディ・プラットフォームという2つの新たな金融商品を創設し、一定の基準を超える顧客資産を保有する運営者に対し、AFSLの取得と、カストディ、情報開示、業務行為に関する基準の遵守を義務付けるもので、既存の運営者には移行期間が設けられる。決済用ステーブルコインについては、政府の決済関連の免許制度改革を通じて別途対応が進められている。
施行までは、引き続き裁判所が規制の範囲を画定する。ASICは利回り商品やトークンスキームをめぐる訴訟で勝訴も敗訴も経験しており、改訂したINFO 225ガイダンスでは、取引所トークン、ステーブルコイン、ステーキングに既存法をどう当てはめるかを示している。2024年に成立したAML/CTF改革はこの業界に対して2026年3月31日に発効し、「デジタル通貨(digital currency)」という用語を「仮想資産(virtual asset)」に改め、対象を暗号資産同士の交換、移転、保管、発行サービスにまで拡大した。
関連法令
2026年会社法改正(デジタル資産枠組み)法
会社法上の金融商品として「デジタル資産プラットフォーム」と「トークン化カストディ・プラットフォーム」を創設する。一定の基準を超える顧客の暗号資産を保有する運営者へのAFSL免許の義務付け、カストディと決済に関する最低基準、情報開示と業務行為に関する義務を定め、施行後、既存の運営者が申請するための移行期間を設ける。
AUSTRACへのデジタル通貨取引所の登録
暗号資産サービスの提供者は、AUSTRACに加入・登録し、AML/CTFプログラムを実施し、疑わしい取引と基準額以上の取引を報告しなければならない。2026年3月31日に施行された改正により、「デジタル通貨(digital currency)」は「仮想資産(virtual asset)」に改められ、対象は法定通貨との交換にとどまらず、暗号資産同士の交換、移転、保管、発行サービスにまで拡大された。
ASIC情報シート225と執行実務
トークン、ステーキング、利回り商品、プラットフォームが既存法上の金融商品に当たる場合を示したASICの整理であり、利回り商品やトークンスキームの提供者を相手取った訴訟における連邦裁判所の判決によって精緻化されている。